2010/03/07

神様のいない日曜日 読んだ

読み終わりました。神様のいない日曜日。最初はどういう話なのかよくわからなかったのですが、読み終わると、意外と深いストーリーに何とも言えない満足感がある、そんな風に思います。

昔、考えたことがあります。人は不老不死を求めるが、不死の怪人は何を求めるだろうか、ということを。私の結論は、不死の怪人は死を求めるということでした。普通に生きて、普通に死ぬことを求めるだろうと。そして、この小説では、そんな自分の考えをある程度肯定してくれ、そして、自分の期待するストーリーを描いてくれた。だから、個人的にはとても満足です。

生き続けることによって何が起きるか?意外とこういうテーマは多く、私にも色々心当たりがあります。たとえば、人類最後の1人を描いた新井素子のチグリスとユーフラテスなんてのもあります。他にも、高橋留美子の人魚のシリーズも、不死を題材にした深いテーマが伺えます。どっちもこの小説とは全く違う話ですが、私は似たような雰囲気を感じずにはいられません。

結局、人は死ぬことが自然なんですよ。そして、一番の幸せは、親しい人に見送られながら、静かに息を引き取ることなんですよ。もちろん、生き続けることは幸せだと思う。でも、生き続けることは、すなわち、自分以外のすべての他者の死を見送らないといけないということになる。もし、私が不死の人間になったとしたら、当然、私の知っているすべての人間を看取らないといけない。私にはそれは耐えられそうにない。死ぬことは怖い。だけど、死ぬことによって保たれる平衡というものもあるはずだ、そう思うのです。

こんなストーリーだから、いわゆる普通の色恋沙汰はこの小説には出てきません。読んで笑えるストーリーでもないし、派手な戦闘シーンもありません。そういう点では、普通のライトノベルとは少々勝手が違います。かなりストイックなストーリーです。

派手な要素が無くても、いい小説は書ける、私はそう思います。話を読んでいる途中では、地味なストーリーと思うかも知れません。確かに、派手さを求める人には不満があることは想像に難くありません。

その代わり、読み終わった時の感覚は非常に良い。これは保証します。

頭空っぽにして読める本ではないかも知れません。そう考えると、ライトノベルの割にはちょっと重たい。だから、嗜好に合わない人もいるかも知れません。

神様は世界を見捨てたのか。

久しぶりに、いい小説が読めたような気がします。

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2010/02/22

アクセルワールド 1巻読んだ

正直、格闘ゲームは苦手だ。だから、アクセルワールドの格闘ゲームをベースに考えられている世界観は正直取っつきにくかった。

ストーリーの面白さはどうなんだろう。もちろん、面白いことは間違いない。だけど、何だろうね。ここにも微妙に取っつきにくさを感じる。

主人公は、ある意味コンプレックスの塊だ。現実世界では惨めな自分…これは、多分に自分で作っているところではあるのだが。でも、ゲームは得意。これは、人付き合いが苦手な最近の人たちにそのまま投影できそうな気がする。ネットでは自由に振る舞えるのに実世界ではてんで駄目。それはそのままこの世界の人たちに当てはまる。バーストリンクの世界は、実世界とは切り離されたあくまでもお遊びの世界。もちろん、いろいろな制限もあるけど、これは実世界とネットを分けて考えている人たちに通じると思う。だから、この辺は面白いと思う。

でも、共感できなかった。

こういう小説にありがちな、やっぱり特別な存在としての主人公。結局、「やっぱり特別なんじゃん」という残念な気持ちになる。もちろん、主人公が平々凡々としていてはつまらない話になりがちだ。でも、つまらない話をどれだけ面白く書けるか?というのにチャレンジした話も読んでみたい。贅沢な話だけど。

なんというか、途中までは間違いなく面白かったんですよ。だから、小説のオチで「実は主人公には隠された能力がありめっちゃ強かったです」というのが残念でならない。それのおかげで、こうもマイナスな感想を書きたくなってしまった。

とりあえず、4巻まで買っちゃったから読むけど、この調子だと途中で力尽きそうな気がする。

あと、巻末の解説。チユリがシアンパイルという設定で解説書いてるけど、本編だとシアンパイルは別人なんだがその辺大丈夫なのかな?ていうか、ちゃんと本編読んで解説書いてる?読んでないんじゃないの?解説の中身が本編と矛盾したこと書いているのがすごく気になった。…読んでないんだろうな、きっと。

てな訳で、色々残念でしょうがない。ライトノベルに期待しすぎているのかな、自分。

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2010/02/17

アスラクライン14巻読んだ

今度こそ終わりっぽい。なんか、あとがきを読むと続くことをにおわせていたりもするが、多分続かないだろうなぁ。

あと、14巻では、物語の幕引きはぜんぜん出来ていない。そう思う。なんというか、14巻は、ストーリーもほとんど進まなかったし、なんか、すっきり幕を引くという気がないような雰囲気。14巻は何をしたかったんだ?という疑問が残っている。

結局、幕を引けていないんですよ。終わったというんだったら、智春と操緒を世界を込みで決着付けないといけないと思う。デウス倒して終わり?私はそうは思わない。操緒を生身の体に戻すなり、何らかの決着を付けないと、アスラクラインは終わらない。なんか、作者の人は、ちゃんと終わらせたくないんじゃないか?という気がする。せっかく、14巻がまるまる使えたんだから、決着を付けようと思えば決着付けられたと思うんだよな。

というわけで、非常にすっきりしない14巻でした。うーん。


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2010/02/06

終わった終わったと思っていたアスラクラインですが

14巻が出た模様。今日新刊をWebでチェックしていたら見つけた。

うむ、気を抜くといけないな。ストーリー的には完結している筈なんだが、外伝とかそういう話だったら14巻という番号はつかないよなぁ。ってことは、やっぱり色々と消化不良だった終わり方を何とかしているんだろうか。

間が悪いことに、アクセルワールド読み始めたところなんだよなぁ。これの4巻まで読み終わるまでは、他のに手を出したくないところなんだが…。

とりあえず買うか。

ちなみに、最近本を読むペースが落ちています。会社の行き帰りが主な読書時間なのですが、朝は頭が起きていなくて本を読む気力がない。帰りはガンガン読んでいるんですけどね。最近出張が多いので、そこで読んでも良いんですが、やはり午前中は気合いが足りず。週1冊ぐらいのペースまで落ちてます。もっとがんばらなくては。

ライトノベルは、色々と物足りないところもあるのですが、気楽に読めて良いですね。練りに練られたストーリーというのも好きですが、大作は読んでいて疲れる。適当にミックスするのが良いんだろうなぁ。

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2010/01/29

人類は衰退しました 5巻読んだ

このシリーズは、出たら速攻読むようにしています。
というわけで、人類は衰退しました5巻の感想です。

ひとつ目。主人公の学生時代のお話。
主人公は俗物かも知れませんが、間違いなく頭は良いですね。あるいは、頭が良くないとなんだかんだ言っても生きてられない時代なのか。
個人的には、人の裏側の部分が非常に笑えるやら怖いやら。まぁ、誰でも表と裏があると思いますが、裏を知ってはいけないものもありますよね。確かに、表向き人当たりが良いけど内面がどす黒い人よりは、表裏もないけど俗物という方が好感持てますね。
私?表裏もある俗物ですけど(最悪)。

ふたつ目。童話災害のお話。あと、オールドゲームファンにはたまらないお話。
なんというか、そこかしこに昔のゲームから持ってきたネタが満載です。余りにも古すぎて、ついてこれない読者がいっぱいいるような気がする。ぶっちゃけ、ウィザードリーネタとかRogueだかNetHackだかのネタ、平安京エイリアンやロードランナー、などなど。あげるときりがない。きっと誰かがどこかでネタ検証やっていると思うので、気になったら探してみると良いと思う。普通に本屋で立ち読みして、先頭のカラーイラストにあるコントローラーの絵を見てダメージを喰らったら、素直に買ってしまいましょう。

感想とか言いながら、全くストーリーに触れない。ま、あらすじ書いてもしょうがないし。この本のおもしろさは、読んでみるのが一番わかりやすいと思うし。私の文章力ではうまく書くことができないし。
主人公の語り口のおもしろさもあるんでしょうね。飾らず、ストレートな物言いが良い。

てなわけで。

相変わらずこのシリーズはお薦めです。ちょっと、基礎知識を要求されるところもありますけど。

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2010/01/24

地球保護区 読んだ

小林めぐみは、SF作家に入るのか、ライトノベル作家に入るのか、よくわからない。まぁ、どっちかといえばSF作家なんだけど、がちがちのSFを書く人ではないような印象がある。あくまでも個人的な印象だけど。

で、ハヤカワJAから出た地球保護区を読んだ。やっぱりSFなんだけど、SFっぽくない。これは、多分この人のスタイルなんだろうな。あるいは、私のSF観がちょっとずれているのかも知れない。

この作品のテーマはタイトルの通り地球環境。そして、地球の環境保護の裏側に見える、「人間は地球にとって良くない」という思想に対する疑問の投げかけ。この作品の中に、この問題に対する解答というのは特にない。物語終盤の混乱で、何となくうやむやになっている。これには結論を出すことはできないだろう。自然破壊は人間からの視点でしかない。自然保護も人間からの視点。人間が破壊したり保護したりする自然というものは何なのか。人間にとって都合の良い自然というのがあって、それを保護したり破壊したりしているというのが実状だと思う。結局、これは人間としての種のエゴイズムで、人間が生き残ることを大前提にしている。だから、人間が生きていくための環境として自然を定義している。そう思う。

個人的には、人間の種としてのエゴイズムに賛同してしまうところがある。人間が生きていくための自然は大事だ。もちろん絶滅を危惧する種も保存しなければならないだろうが、正直明日のご飯の方が大事だ。明日のご飯を食べるための自然保護は必要だが、自然保護のために飢えて死ぬのは駄目。ものすごいエゴイストだと思う。

意外と、考えさせられる話だった。

私も、月から地球を見たら、考えが変わるかも知れない。

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2010/01/14

記憶の森のエリス ブラコン×記憶力ゼロ→大迷走 読んだ

なんとなく、表紙とか帯につられて買ったような気がしないでもない。記憶の森のエリス。とりあえず読み終わったので感想。

やはり、ライトノベルはターゲットは10代なんだなーと思った。記憶の森に入れるのがなんで10代までなのか。それがよくわからない。10代ということに、何か意味を持たせたいように思わないでもないけど、それがなんというか読み取れない。まぁ、この辺は深い根拠があるわけではなく、多分ご都合的な話が強いんだろうなとは思うけど。

登場人物やストーリーについては、お約束といえばお約束。特に目新しい設定があるわけでもない。まぁ、有り体に言えば普通。ものすごく普通の小説。普通すぎて、あんまり印象が残らない。

この物足りなさはなんなんだろうな。文章とか、ぜんぜん悪くないんだけど、何かが足りない。あっさりしすぎなんだろうな。この物足りなさの原因は。

まぁ、ライトノベルなんだからそんなもんだろうといわれればそうなんだけど。

てなわけで、読めとも読むなとも言えない。そうだな、たとえば突然1時間とか2時間空いてしまったとか、そういう状況になったら、この本はお薦めかな。読んで、読み終わって、終了、みたいな感じで。この小説自体は、もうちょっと続きそうなんですが、続きが出ても、積極的に時間を作って読もうとはあんまり思わないかな。隙間ができたら読もう…という感じ。

うーん、感想書きにくいなぁ。

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2010/01/06

ほしのこえ 読んだ

時間をテーマとした小説は幾つかある。梶尾真治の短編とか、私は好きだ。他にも、アニメになるけどトップをねらえも、時間をテーマにしている。

時間というのは、日常的に接するもので、しかも、どこでも均一に流れている。まぁ、時間は均一に流れるものではないのだが、我々が生活する上では、均一と言っても何ら問題はない。

だから、何らかの方法でその均一を破るのは、SF的に面白い。そして、時間軸を狂わすことで、読者に時間の意義を問いかけることができる。

で、今回読んだほしのこえは、その時間の問題に真っ向から取り組んだお話だ。もちろん、オリジナルは新海誠の自主制作アニメであるほしのこえ。アニメでは語りきれなかった部分を小説にしたものが、この小説ほしのこえだろう。

この物語を読み終わったときに思うのは、時間の乱し方がうまいなぁ…ということ。最初は主人公ノボルの時間だけがひたすらに進んでいく。もう一人の主人公であるミカコの時間は、ほとんど流れない。その時間の断絶が、二人の心に微妙な齟齬を与える。そして、それぞれに、それぞれの時間の中でお互いのことを思ったり、忘れようとしたり。そんな二人の間をつなぐメール。こんなに短いメールのやり取りが、こんなに重い意味を持つ。そのストーリーの作り方のうまさがとても印象に残る。そして、別々に流れていた二人の時間が…まぁ、この辺は、一度読んでみることをおすすめする。なんだかんだいってもハッピーエンドだ。安心して読める。

個人的には、ほしのこえのアニメも一度見て欲しいと思う。アニメを見た上で、この小説を読むのがいちばんお勧め。どっちが先でも全然構わないけど。

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2009/12/31

生徒会の七光読んだ

というわけで、読み終わりました。碧陽学園生徒会議事録7巻、生徒会の七光。手短に感想を。

ラジオのコーナー、《定められた一言》が良いです。とても良いです。なんというか、ひたすらエスカレートしていく会話がたまらなく良いです。電車の中で読んでいたのですが、ついつい笑ってしまい…完全に怪しい人になっていましたよ。私は。

まぁ、いつもの通りの生徒会での会議と称したひたすらにぼけと突っ込みを繰り返す会話を書いただけという小説なので、非常にテンポ良く読めます。テンポが良すぎて困ってしまうぐらい。もちろん、読んだ後に何か残るとかそういうこともほとんどありません。ライトノベルらしく、ひたすらエンターテイメントに徹しているのも非常に良いです。

実は、いくつかストーリーが進んで、このシリーズの着地点に向かって少しずつ動き始めていたりするのですが、そこはどうなんでしょうね。もちろん、いつかはストーリーを終わらせないといけないし、そこに向かって進むのも仕方がない。何となくシリアスとか、そういう部分も見え隠れしている。ストーリーはいつか終わるものだし、それに向かって進むというのは、ある意味健全だから、これはこれで受け入れるしかないんだけど。

多分、終わって欲しいと思っていないんですね、私は。だから、本当だったらストーリーが進むことは良いことなのに何となく抵抗を感じてしまう。

そろそろ先のことを気にせずにはいられなくなってきたけど、その辺のことはどこか脇に置いておいて、頭の中真っ白にして楽しめばいいと思います。

大丈夫。面白いことは間違いないですから。

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2009/11/24

ストーム・ブリング・ワールド 2巻読んだ

読み終わりました。2巻。このお話は2巻で完結です。

まぁ、ストーリー的には終わっていないのですが、まぁ、これでいいんだと思います。話の終わりで旅立つというのが、ばいばい、アースと同じだなぁ…とか思いましたが、こういう終わり方が一番いいんだろうなぁ。結局、カルドがどうとかとか、そういう事については全く決着も何もなし。そういうものをひっくるめて、この物語の世界なんでしょう。

個人的には、冲方丁のテーマだと勝手に思っている存在とか、そういうものがあんまり出てこなかったのが何となく物足りなく感じていたり。

とはいえ、不満な内容かというとそういうわけではありません。あと、ストーリーとか、世界観とか、わかりやすいので、読みやすいし。読みやすい=簡単という訳ではないのですが。

なんだろうな、冲方丁は文章とか、話の構成とか、うまいんだろうな。ストーリーを簡単に説明すると、とてもありきたりな話になってしまうと思う。でも、面白いんだよな。アイデアで勝負という事じゃないんだよな、きっと。面白い小説は奇抜なアイデアが売りじゃなくって、いかに登場人物とか世界を魅せるかなんだろうな。

と、偉そうな事を書いて感想を終わるのでした。

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